これに反して、礼儀を重んじる日本人は、また、曖昧言葉を使うことが好きになる日本人は、相手にこのような距離感を与えることを防ぐ。だから、「アナタ」をはじめの第二人称代名詞の使用率が低いのは当然だと思う。
-おわりに-
ここまで考察してきた内容をまとめてみると、日本人は「アナタ」としての第二人称代名詞をあまり使わない原因が判明できた。礼儀を重視する日本人にとっては、冷たい距離感を相手に与えることは失礼にあたるため、第二人称代名詞の使用率が低い。日本語学習者にとっては、正確に使用できることが不可欠なのである。
なお、特定の条件に日本人が「アナタ」などの第二人称代名詞を使う場合もある。その原因は筆者今苦慮している。そして、それはこれからの課題として考察を進めていきたい。
また、学部生としては、数少ない参考文献や先行研究を踏まえて、分析と解明に取り組んでみたが、到達点と限界が見られたため、今後の研究に課題として残されている。
参考文献
[1] 田中章夫.日本語の特質.日本放送出版協会,1983(頁数?)
[2] 田中章夫.東京語-その成立と展開-.出版社は明治書院,1983(頁数?)
[3] 金谷武洋.日本語に主語はいらない.講談社,2002(頁数?)
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[17] 水谷修.外国人にする日本教育.東京岩波書店,1978(頁数?)
[18] 金田一春彦.日本語の特質.岩波書店,1981(頁数?)
[19] 広辞苑.第五版、岩波書店(頁数?)
[20] 新明解国語辞典.第五版.三省堂(頁数?)
[本論文には脚注の形に出た参考資料は必ずここにもすべて羅列しなさい。]
謝 辞
卒業論文の作成にあたっては、指導教員であられる李剛先生から大変ご親切なご指導を賜った。なにしろ、論文のテーマの選定から、書き方、章節の構成、言語表現、仕上げまで、李剛先生から非常に真面目で温かく、そして懇切丁寧なご指導を頂いた。ここにて、この卒業論文の初稿から終稿まで幾度も重ねて多大な心血を注いで下さった李先生にひとしお心より感謝の意を申し上げたい。
また、大学在学中の4年間の間に、一方ならぬ大変お世話になった南開大学濱海学院の先生方と日本語学部の先生の方々にも謹んで感謝の意を表したい。