一、日本語の人称代名詞の使用率
日本人はあまり人称代名詞を使わないとされる。日本国立国語研究所は1962年3月から1964年3月までの間で、日本語に対して、『現代雑誌九十種の用語用字』の『使用率順語彙表(全体)』というアンケートが作られていたため、その結果を見ると、普段、よく見える人称代名詞の使用率は想像できないほど低く、特に、第二人称代名詞としての「アナタ」の順番は136位である[ 『現代雑誌九十種の用語用字』 国立国語研究所,(1962.3-1964.3)第一分冊(第185頁)アンケートの中に、「わたし」(24位)、「かれ」(58位)、「あなた」(136位)といわれた。]。
どうして日本人は日常生活においては「アナタ」をはじめ、人称代名詞をあまり使わないのであるか。筆者はこれが日本語の中においては文法や尊敬語などに関するものがあるからと考えられる。
1.文法においては 日本語には使役態と受身態、授受動詞がある。これらの文法は普通、人称指向もはっきり表すことができる。もし、人称代名詞を取り出すと、指向もはっきりである。それらをまとめてみると、(1)授受動詞:先生にお見舞いの品をさしあげました。(「わたし」を省略する)(2)使役態:もう子供ではないから、好きなようにさせよう。(「あなた」、「わたし」を
省略する)(3)受身態:友達から誕生日パーティーに招待された。(「わたし」を省略する)
2.尊敬語と謙譲語においては 日本語の中には尊敬語と謙譲語などがいろいろある。普通、尊敬語と謙譲語を使ったら、人称指向もはっきり表すことができる。(1)尊敬語:ごゆっくりお休みになってください。(「あなた」を省略する)(2)謙譲語:さっそく本店に参りまして、相談いたしますが。(「わたし」を省略する)
二、日本語の第二人称代名詞の使い方
一方、人称代名詞の使用率が低いのに対して、第二人称は場合によって使われています。たとえば、会話の中に第二人称の使用率が高い。次の表2-2は千葉大学の学生は村上春樹の名作の『ノルウェイの森』によって、統計してみた。
表2-2:会話文の中に第二人称代名詞の統計表[ 张佩霞、王诗荣主编《日本语言文化研究》(湖南大学出版社 2008年6月)P.154より。]
『ノルウェイの森』 日本語第二人称代名詞
内容 統計
種類 あなた 321
きみ 97
おまえ 23
おたく 2
総計 443
以上の表2-2を見ると、会話文で第二人称代名詞がよく使われている。特に男性の場合
は怒るときとか、好きなとき、第二人称代名詞を使うと、相手の独特な存在を表すことを判明した。そして、筆者は上記の表2-2を通じて、第二人称代名詞を使うと、自分の気持ちを相手に強く表すことができると考えられる。
第三節 日本語の第二人称代名詞の役割
上述の表が示されたように、日本語の第二人称代名詞の種類が多くある。それに反して、日本人は相手の名前しか使わない。というのは、第二人称代名詞を使うと、冷たい距離感を与える可能性もあれば、相手に独特な存在感を与える可能性もあると裏付けられた。この限界がはっきりしないのは、日本人の曖昧性であるからと思う。
そして、第二人称代名詞は表情のように、自分の気持ちを表すことができる。普段、相手の名前を使うのは、ただ相手の呼び方である。気持ちなどを表すことができません。そして、第二人称代名詞を使うと、相手は自分の気持ちは理解しやすい。だから、使う場合と使わない場合、相手のフィーリングはぜんぜん違っている。
しかし、これは日本語の第二人称代名詞の役割ではないかと思われる。
このため、第三章で「あなた」を例として、さらに分析と考察を続けてみたい。
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